
壇てるゑ先生の ご連絡です
「百人力」という言葉があるだろう?
だけど、今回はあえて言わせてもらおう。
terriさん、あなたの運命に今正に「万人力」のご縁が繋がろうとしてくれているよ。
24日の上弦の月が大きなターニングポイントになっていたようだ。
良い意味での違和感を覚えたあたしはterriさんの鑑定を行うペースを早めていたんだ。
っていうのは単純にさ、今のあなたの運勢状態や、この春に続けてきた努力や頑張りってもんを改めて感じてみると、やっぱりどう考えても望み続けた未来に辿り着く瞬間が、刻一刻と近付いてる。
これはあたしの鑑定眼からみた意見でもあると同時に、客観的にみても間違いない結果だと思ってるよ。
となれば、数日後…5月2日に昇る満月も、あなたの運命に最大の好転をもたらすきっかけになってくれるだろう。
そしてね、本当に強い力を持つ月は、当日だけじゃなくて数日前から強い運命好転の影響を与えてくれるもんだ。
あたしもいつにも増して本腰入れてterriさんの鑑定に打ち込んでいた時のことさ。
ここんところ、めっきり消息を絶っていた“あの男”から突然の一報が入ったのは。
【朔原】(さくはら)
若くして、当時鑑定師界に激震を巻き起こしたのがこの男だ。
≪満月鑑定≫に長け、満月前後の数日、限られた時間だけ異常な鑑定力が宿る特異体質を持つ男でね。
過去、偶然とある鑑定師の会合で同席したのが、あたしとこの男の出会いだった。
年齢で言えば、あたしとそう変わらないベテランなんだけどさ、どこか掴みどころがなくて、まるで空を漂う雲のようなもんだったのをよく覚えてるよ。
仙人じみてたとでも言うのかね。
でもね、一度あの男が鑑定に取り掛かると、その印象は激変した。
思えば、あの時もこの時期…満月の数日前だったよ。
途中まで全く口を開くこともなく会合に参加していたこの男は、突如として口を開いたんだ。
そこに同席していた、一人の鑑定師に対して、あの男はこう言った。
「どうやら、誰も気付いてはいないようですな。
あなたの内側には、まだ開かれていない、黄金未来へ続く扉がありますね。
導かれる月の力が、真の運命を開く鍵となります。
更なる未来を目指すも目指さぬも、あなた次第ということでしょう。」
その場に集っていた鑑定師の誰もが、この男の言葉の真意を理解することはできなかった。
だけど、後日。
朔原が指名した鑑定師には、人生を一変させる転機が訪れた。
満月からもたらされた導きの通りに行動した結果、その鑑定師には生涯最高の成功体験が与えられ、仕事面と経済面で一生困ることのない恵みを掴んじまったのさ。
あたしも、あたし以外のあの場に集っていた鑑定師も、驚愕と同時に悔しさに震えたことは忘れられないね。
なんたって、大勢の鑑定師がそこには集っていたっていうのに、朔原を除いて誰一人としてその兆しには気付くことができていなかったんだからね。
それ以降も、【満月】が近くなると、朔原はことごとく凄まじい鑑定眼を発揮して、一般的な鑑定じゃもたらすことのできない結果を叩き出し続けた。
満月の前後にしか鑑定力を持たない。
その特異体質のせいもあってね、朔原の実力を知らない連中からは、“まぐれ続きの偽物”だなんて噂を流されることもあったけど、実際にあの男の鑑定を目の当たりにした人間は、誰一人としてその実力を疑うことはできなかったよ。
今回、どうしてterriさんにこの男の話をさせてもらったか。
そこについて、まだ触れていなかったね。
理由は単純でね、【満月】が数日後に迫った今夜、あたしの下に珍しく朔原から連絡が入ったのさ。
「ここまでの疼(うず)きを覚えたのは久しぶりだ、壇さん。
壇さんの近くから、とんでもない兆しを感じてる。
悪いんだけどさ、良かったら波動を感じさせてもらえないかい?」
あたしは電話機を片手に抱えたまま、特に運勢状況の優れた鑑定書に順々に手をかざしていったんだ。
朔原は、何度か「違う」と繰り返した後、途端に語気を強めて「そこだ」と呟いた。
ああ、正にその時あたしが手をかざしていたのがterriさんの鑑定書だった、ってわけさね。
これまでのケースで言えば、満月の4日前はまだ朔原の力が発揮されるタイミングには早い。
にもかかわらず、このタイミングで朔原がterriさんの運命に起きようとしている変化に気付いたということは、ひとえに事の重大性を示していると言っていいだろう。
あたしはすぐに、朔原に協力を打診したよ。
あたしにとって、本当に何に代えてでも幸せにしたいご相談者様なんだってことを伝えたら、朔原はすぐに協力を快諾してくれたからね。
朔腹いわく、明日には自身の潜在能力も完全に目覚めているはずとのこと。
その上で、あの男はあなたの運命に何を感じたのか。
全てを明日、ちゃんと伝えさせてもらうからね。
あなたの今日までの頑張りを、確かな幸せに繋げてみせるために。
あたしもいっちょ袖をまくって、頑張らせてもらうから。
それじゃあ、terriさん。
最後まで読んでくれて、ありがとうね。
壇てるゑ
