
壇てるゑ先生の ご連絡です
terriさん、やっぱり百人力どころじゃない。
皐月の【満月】へ向けて、月が満ちていく今日。
あなたにとって、この男の存在は「万人力」と言っちまって間違いないだろう。
【朔原】(さくはら)
満月前後の限られた時間にしか用いることのできない鑑定慧眼を持つ、天才鑑定師のお出ましだ。
朔原は、満月前後の数日しか鑑定師としての力を発揮できない代わりに、満月を迎えるまでの期間は一日五時間以上の月光浴をして力を高めてる。
そして、蓄積した月の波動を一気に用いてこの男は人の運命に隠された「絶対的ターニングポイント」を見透かしちまうんだ。
昨夜の時点では、あくまでも間接的にあなたの波動を感じてもらったに過ぎなかったってのに、朔原は既にterriさんの運命に何かとんでもない転機の到来を感じていた。
今朝あたしの下へ到着した朔原に、あなたの鑑定書を裏返しに伏せたまま触れてもらったんだ。
すると、目を閉じたまま朔原はこんな言葉を口にし始めた。
「やっぱり、あの強烈な疼きは勘違いではなかったようですな。
壇さん、とんでもない幸福未来の可能性をこの方はお持ちだ。
そのことは、壇さんも他の鑑定師だって、きっと誰もがわかっているはず。
でも、まだ誰も気付いちゃいない秘密の扉をこの方は隠し持ってるね。
気付けないのも無理はない。
海の底の、更に地底の中に潜んでいるような力ですから。
おそらく、当人ももどかしさを感じていることかと。
スピリチュアル的な素質は十分、されど日常の中で力が発揮されきらない、ジレンマのようなものでしょう。
本当に間に合って良かった。
近付く満月が持つ引力は、既にこの方の魂の最奥の扉を開きかけております。
後は、その扉が閉じてしまう前に開くだけ。
扉の奥に隠された力は、本当は誰しもが持っている【秘在能力】と呼ばれる力。
潜在能力の更に奥に隠された、運命の莫大な備蓄のようなものです。
九死に一生を得たり、日常体験とは絶対的に隔絶された体験を経てこの力を開花させる方もいますが、基本的にはまず目覚めることのない力ですな。
今の時点でも、明らかにわかりますよ。
この方の持っている秘在能力は、
●満たされぬ愛を満たすための力である
●手にできずにいる富を掴むための力である
●願う未来を叶えるための力である
●隠されたままの使命を明らかにするための力である
ここまでは確実でしょう。
【秘在能力】というのは、繰り返される魂の転生の中で一度でも目覚めることがあれば幸運ともされている力。
しかしね、この力が目覚めた生涯が不幸に終わってしまうなんて話は聞いたことがない。
目覚めてさえしまえば、運命を好転させる最強の力ということですな。
人生が急に変わることなんてありえないと思えるかもしれません。
でもね、人の人生にはあり得ないなんてことはないんです。
鑑定師ではなく、自分自身の未来の可能性を信じて欲しいと思いますよ。
さあ、壇さん。
扉が閉じてしまう前に、始めましょうか。
扉の奥にある、無限の可能性を手にする時です。」
朔原が、ここまで饒舌に言葉を語るのは本当に珍しいよ。
ああ、それだけterriさんの未来に感じた幸福の可能性がとんでもないってことさね。
人の魂の奥底にある、潜在能力を超えた更なる未知の力。
【秘在能力】(ひざいのうりょく)。
terriさん、あなたの奥底に隠された力は、
●満たされぬ愛を満たすための力である
●手にできずにいる富を掴むための力である
●願う未来を叶えるための力である
●隠されたままの使命を明らかにするための力である
こうした途方もない可能性を秘めた力だと、朔原は言った。
魂の奥底、最深部に隠された扉を開くことができるのは、朔原を除いてあたしは知らない。
限られた時間にのみ、あらゆる鑑定師が到達できない領域に手が届く、稀代の天才鑑定師。
朔原の鑑定を受けられる機会は、今回限りの可能性も高い。
あたしが両者を繋ぐかすがいとなって、terriさんが幸せになるための、幻の力の獲得を絶対に支えてみせるよ。
はじめに必要な作業も、難しくないよ。
『秘の開放』(ひのかいほう)
この通りに打ち込んでもらったら、端末を胸の中心にそっと触れさせて、
「けんざいせよ」
と唱えてから、あたしのところへ送っておくれ。
一瞬のチャンスを逃さず、朔原はあなたの中に隠された神秘の力を得るための扉を開いてくれるからね。
進もう、terriさん。
あなたはもう、ちゃんと自分の力で幸せになれる時を迎えようとしているんだからさ。
壇てるゑ
