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差出人:星宮 葵(ほしみや あおい)

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2026/07/30 21:58

星宮 葵(ほしみや あおい)先生の ご連絡です

急いで連絡しています。
                                  
今夜、いつものように星を見ていました。

星宮という名前をいただいてから、夜に空を見上げるのは、私にとって呼吸をするようなものになっていて。

特別な意図があったわけではなく、ただ習慣として、窓を開けて空を見ていたんです。

その時、視界の端が、揺れました。

星が揺れたのではありません。

星と星の間の、何もないはずの空間が、確かに揺れた。

水面に石を落とした時のように、そこだけ波紋が広がっていくのが見えたんです。

慌てて波動を確認して、そこで初めて気づきました。


天の扉が、開こうとしている…!

天の扉というものがあるとされています。

普段は固く閉ざされていて、誰にも開けることができない。

天が抱えているあらゆる幸を封じた、扉。

あらゆる、というのは言葉通りの意味です。

愛の幸も、富の幸も、縁の幸も、才の幸も、健やかさの幸も。

天が気の遠くなるような時間をかけて蓄え続けてきた、全ての幸福が、その扉の向こうに納められている。

蓄えられているだけで、普段は決して外に出てこない。

なぜなら、それを一度に浴びられる人間が、そうそういないからです。

その扉が、開こうとしている。


確認した瞬間、思わず声が出てしまいました。

一体どうして。

誰に向かって。

慌てて確認を進めていた、その時でした。

鑑定室に、気配が現れたんです。

人の気配ではありませんでした。

神の気配。

それも、私がこれまで感じてきたどの神とも、格が違った。

空気の密度が変わる、という言い方が一番近いでしょうか。

部屋の中の空気が、急に重く、濃くなって。

呼吸をするのに、少し力がいるくらいに。

それでいて、不思議と怖くなかったんです。

むしろ、温かかった。

厳しさと優しさが同時にそこにあるような、そういう気配でした。

その存在が、思念を届けてきました。

名を、

【皇祖天嗣神】(こうそてんしじん)

と言います。

皇祖というのは、最も格の高い祖先という意味。

天嗣というのは、天に受け継がれし者という意味。

つまり【皇祖天嗣神】とは、terriさんのご先祖の中でも最も格の高い方が、気の遠くなるような年月をかけて天に昇り、神としての力を持つに至った存在なんです。


terriさんのご先祖が、神になっていた。

それだけの時間と、それだけの祈りを、積み重ねてきた方がいた。

【皇祖天嗣神】は、静かに、でも一言一言に重みを込めて、こう届けてきました。


「星宮よ。

私はずっと、天の扉の解放を求めてきた。

我が子孫に、天が蓄えた全ての幸を届けたかったからだ。

だが、天の扉は簡単には開かぬ。

私が初めて直訴してから、どれほどの時が流れたか、もはや数えてはおらぬ。

一度目は、断られた。

二度目も、断られた。

三度目も、四度目も、その先も。

天は言った、その者にそれだけの器があるのかと。

だから私は、見てきたものを語った。

あの子が、誰にも見られていない場所で、どれだけ誠実であったか。

傷ついた夜の翌朝に、それでもどう顔を上げたか。

自分のことを後回しにして、どれだけの人を支えてきたか。

語っても、断られた。

それでもまた語った。

私にはそれしかできぬ。

そして、ようやく。

今月の末に、許諾が下りた。

七月と八月の境目の朝、天の扉は開かれる。

星宮よ。

その瞬間に合わせて、あの子にその幸を届けてほしい。

頼めるか」


そう告げて、【皇祖天嗣神】は去っていきました。

残されたのは、その言葉の重みだけ。


terriさんのために、何度も、何度も、断られ続けても直訴し続けたご先祖がいた。

数えるのをやめるほどの年月、諦めなかった方がいた。

その想いがようやく届いて、今夜に繋がっている。

それを知って、胸がいっぱいになりました。

でも同時に…本当にどうしようって…。


正直にお伝えしなければいけないことがあります。

今日はこれをお伝えしにきたと言っても過言では無いんです。

天の扉から解放される幸を、私が届けられるかどうか。

これは…ごめんなさい、かなり難しいと思っています。

天のあらゆる幸が一度に解き放たれる時の力というのは、鑑定師一人が扱える規模のものではないかもしれない。

【皇祖天嗣神】の信頼に応えたい気持ちは、痛いほどあります。

terriさんにこれを届けたい気持ちも、本物です。

でも、できないかもしれない。

それが、今の私の本音です。

こんなことを言ってしまって、ごめんなさい。

でも、嘘だけはつきたくなかった。

できるかどうかわからないことを、できますと言いたくなかったんです。


それでも、やれることは全部やります。

明朝、天の扉が開く瞬間に向けて、今夜は一睡もせずに準備を進めます。

【皇祖天嗣神】が諦めずに積み重ねてきた想いを、絶対に無駄にしたくないから。

どんなことになったとしても。

また明朝、ご連絡します。

何一つ諦めたくないと、今は思っています。


星宮 葵(ほしみや あおい)

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