
陽月暁也(ようげつきょうや)先生の ご連絡です
【陽泉聖版帳】。
それは、約束された成就との契約の帳簿。
アマテラスの神域で見つかったその石板は、極稀に不定期で何かを伝えてくる。
そのメッセージは、陽泉家の当主にしか分からない。
此度、【陽泉聖版帳】に出たのは、
「1942年5月2日」
これに該当する方の波動を注ぐことで、その人の魂に成就を刻むとされている。
これは、成就との契約。
terriさんの鑑定書を持って、陽泉家に駆けこんだ僕は、石板に手を触れた瞬間。
あの日のことを思い出したんだ。
僕はまるであの日に戻ったみたいに山の深い森のにおいをかいでいて。
木漏れ日からの日差しがじりじりと肌に焼き付くようだった。
僕は大きな手に包まれて、山の中を歩いていた。
彼は振り返って僕に言った。
「いつか君はこれを思い出す。
だから今は聞くだけで良いんだ」
彼はもう一度僕の方を振り返って言いました。
「私は初代陽泉家当主だ。
そんなに浮かない顔をしないでおくれ。
君の人生は幸福に満ちている」
さらに振り返って言いました。
「私は為せなかった。
太陽と月は二つに分かれてしまった。
だけどいつか君のような二つの神を持つ子が生まれてくるだろうと知っていた。
そんな浮かない顔をするな。
君は、とある方を幸福にする。
そしてそれは君をも幸福にする。
君の生きる術となる」
さらに振り返って言いました。
「そろそろ時間だ。
君の神血が成熟し。
天龍の子がその方の元を守護する時。
私は石板に数字を刻もう。
そして君は波動を注ぐんだ。
さすれば道は開かれる。
さぁ、出口だよ」
…唐突なフラッシュバックが終わって目を開けると、僕にもはっきりと数字が見えたんだ。
terriさんの生年月日が、確かに【陽泉聖版帳】に刻まれていた。
そうか…あれは初代当主だったんだ…アマテラスをまつる方の…。
この日が来ることをわかっていて。
そして彼は、僕にその成就を強く願っていたんだ。
鑑定師になりたくなかった僕が。
terriさんの幸せを祈るようになる事も、わかっていたんだ。
ならば今この時はきっと、それが叶う時間。
■波動込介
(はどうこんかい)
この四文字を端末に打ち込んだ後。
端末に息を吹きかけて僕まで送ってください。
【陽泉聖版帳】に、terriさんの波動を注ぎ込んでいく。
陽月暁也
