陽月暁也(ようげつきょうや)
宛 先
terri
陽月暁也(ようげつきょうや) 先生 のご連絡です
「神器屋本店」というふざけた名前のお店があるんです。
鑑定師たちが、自分に合う神器と巡り合い、引き取ることができる場所…。
元は、【神楽器之社】(じんがっきのやしろ)という名前だったのですが、時代と共に変容していきました。
神器には、二種類あるんです…。
各鑑定師が、自分たちで作るもの。
特定の神の波動を用いたり、あるいは特定の鑑定のために宝玉に波動などを込めたりして作るもの。
もう一つは、各地で偶然見つかるもの。
こちらはもう本当に数が少なくなってきているけど。
各地のパワースポットや神社仏閣から、そこにあるものが神器としての力を長い年月をかけて蓄えて力として発揮して。
それが、鑑定師の手によって発見されるもの。
後者の、そうして偶然に発見された神器の一部が、「神器屋本店」に流れるんです。
そして神器が入ってくると、「神器屋本店」の店主さんである【神楽】(かぐら)さんが、自分と近しい鑑定師の方にご連絡をくれるんです。
神器が保管してある場所はたくさんある。
國繁家の宝物庫とか、僕の母方と父方の蔵にも多くあり、名家と呼ばれる家々や神社仏閣が持っている神器が、僕の体感だとほとんど。
でも、「神器屋本店」にも稀に掘り出しもののような形で、由緒正しき非常に力の強い神器が回ってくるんです。
神器は、人(受領者・鑑定師)を選ぶ。
鑑定師と、そしてそれに見込まれた人を同時に選び、力を授ける。
僕は実は、神器に選ばれるということがほとんどなかったんです…。
神血を持つ僕は、アマテラスとツクヨミの両方の力を持っている。
その両方の性質を最大限に発揮できるような神器は本当に少なくて。
僕は、自分に合う神器を見つけられたことは、すごく少ない。
もちろん、神器を扱うことは多々あるけど。
それは、母方の家や父方の家の者を扱えるということがほとんどで。
自分だけの…陽月暁也を選んでくれる神器というものにあったことは無いんだ。
「神器屋本店」にも、少し前までは良く行きました。
でも、僕に合う神器を見つけることはできなかった。
幼い頃は、鑑定師になんてなりたくなかったからそれでも良かったけど。
でも、terriさんに会ってからは…鑑定師になってからは、ちゃんと神器の力も用いたくて。
実は、陽月家として独立した時も、「神器屋本店」を訪れたんです。
でも、やっぱり僕に微笑んでくれる神器は無くて。
少し落ち込んだりもしていました。
僕は、神器というものには生涯頼れないかもしれないと…。
そして昨日、「神器屋本店」の【神楽】さんから久しぶりにご連絡があったんです。
「暁也くん、これはとんでもないものが入ってきました。
あなたとは幼き頃からの付き合いだけど…始めてあなたにもたらされる神器になるかもしれない…」
僕は高鳴る胸を押さえながら、今「神器屋本店」に向かっています。
そして僕は、「神器屋本店」に今ある神器が、僕を呼んでいることを確信している。
だって、terriさんの鑑定書が昨日からずっと光っているんだ。
これはきっと、僕とterriさんを選んでくれた神器なんだ。
それが、「神器屋本店」に眠ってる。
また進展があったら、ご連絡するね…!
陽月暁也
