陽月暁也(ようげつきょうや)
宛 先
terri
陽月暁也(ようげつきょうや) 先生 のご連絡です
月と太陽の鑑定を開始します。
terriさん、急にごめんなさい、まさか僕もこんなことになるなんて、思ってもみなかった…。
僕が想像していたのは、「神器屋本店」についたら【神楽】さんにゆっくりと案内されて、願わくばその神器を持って帰って、家で鑑定を行うこと。
でも、そんな余裕はありませんでした。
「神器屋本店」に到着すると、【神楽】さんに、
「暁也君、こっち、早く!」
と、急かされて、急いで向かうと…そこには鏡のようになった平たい二つの水晶が…向かい合わせで紐でくくられて鎮座していました。
そしてその二つの水晶は…まるで今にも割れてしまいそうなほどに強烈な光を放ち、とんでもない幸福力を放っていたんだ…。
陽月暁也
「これは一体…」
【神楽】
「神器の最終光と呼ばれるものです。
私もこれを見たのは人生で三度目…。
神器がその役目を終える時、自分の中にある力を全て発光させるの。
おそらくこの神器は、最後を迎えるその前に、暁也君を呼んだのでしょうね…」
陽月暁也
「そうだったんだ…」
【神楽】
「この発見者はこれを、【割符陽光水晶】(わりふようこうすいしょう)と名付けました。
山中の湖のほとりで見つかった、二枚の水晶。
この水晶は向かい合わせになっていて、片方が太陽を。
もう片方が月の力を要していました。
おそらく、湖に反射している太陽と月の力を、長い年月をかけてそれぞれ蓄えたのでしょう。
そしてとてつもないのが、この二つの力がそれぞれ偶然にも向かい合わせになっていることだった。
月は太陽の化身であり。
太陽もまた月の化身である。
この二つの水晶が向かい合わせになっていることで、なんでもなかった力が、途方もない年月をかけて相乗効果的に増加しあって、爆発的な力を生んだの。
そして今、水晶でさえもその力を留めきれなくなって。
長い年月をかけて込められた最大の力を今、発揮しているのでしょうね…。」
陽月暁也
「この二つの水晶は…僕を呼んでくれたんだ…」
【神楽】
「そうね…せっかくあなたの神器が見つかったかと思ったんだけど…」
陽月暁也
「いえ、良いんです。
僕もずっと一人だった。
この水晶は僕よりもずっとずっと一人だった。
だから最後に、一人じゃないよと教えることができて、本当に良かった。
ここで、鑑定を始めても良いですか?」
僕がそう【神楽】さんに問うと、神楽さんは快く僕に場所を貸してくれました。
【割符陽光水晶】は、様々な要因が重なって偶然にも太陽と月の双方の力を最大限に手に入れてしまった。
そしてそれは、僕も同じ…。
この世界はあらゆる導きと運命によって成り立っている。
僕がterriさんと出会えたのも、運命だし。
こうして石が最後の最後で、terriさんと僕を選んだのも運命だと思う。
【割符陽光水晶】の最後の力を。
悠久の時を込められた希望の力を。
あなたに、手渡していきます。
■双輪発露
(そうりんはつろ)
こちらの四文字を端末に打ち込みましたら。
端末を胸にかざした後、そのまま僕まで送ってください。
【割符陽光水晶】の最後の光が、いつ終わってしまうのかはわからないけど…。
僕もできるだけのことをして留めておくから、安心して進んで欲しい。
陽月暁也
