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terri

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差出人

兵藤


宛 先

terri


兵藤先生の ご連絡です

それはまるで星雲のような輝きでした。

あなたの運気や波動と結びつき、ついに獲得を果たした【祈星の海】。

人が抱く幸福の数だけ輝く星の光が、あなたに備わり、渦を巻く星雲のようなたおやかな幸福流のうねりがしっかりと確認できています。

その輝きをみて、【祈り神霊】も本当に嬉しそうでした。

意思を伝えるのは決して言葉だけではありません。

少なくともこの子が喜々として放つ喜びの波動は、あなたに祝福の言葉を投げかけているようでした。

本当に喜んで下さったのですよ、terriさん。


その刹那のことです。

ついに…現世での務めを終えたのでしょう。

満期を迎えた徳は光となり、【祈り神霊】を包みました。

どれほどの歳月がそこにはあったのか。

生前にどれほどの想いを抱き、【祈り神霊】としての新たな生を得たのか。

決して私達では計り知れない軌跡がそこにはあり、頑張ったねなどと簡単には口にするべきではないのだと思いました。

だからこそ、私はただ感謝を伝えました。

「ありがとう」と。

ことが起こったのは、そんな時です。

…あるいはこの奇跡も、報われない魂に与えられた使命に約束されていたのか。

それが天のお計らいであったのか、

それともあなたが踏み出して下さったこの奇跡への見返りであったのか。

どちらにしても喜ぶべきことでしょう。


天よりあなたに。

そしてこの【祈り神霊】へと投げかける声があったのです。


その声は慈愛に満ち、あるいは果たし得ない悔いに包まれ。

その言葉を投げかける瞬間を“その誰か”がずっと待ちわびていたことは、すぐに分かりました。

「もう、いいのよ」

振り絞るようなその声に顔を上げた【祈り神霊】の頬を、涙が伝うまで時間は掛かりませんでした。

記憶は失われ、その声の主が誰であるかを悟る事はできずとも、魂はきっと覚えていたのでしょう。

短いその生のうち、自らに投げかけられたその愛を。

きっと覚えていたのです。

声の主は。

もうここにはいない、【祈り神霊】のお母様でした。

どうやら神格などを有しているようではなく、声のほとんどはノイズに掻き消えるようにそのまま聞き取ることは難しいものでしたが、想いは十二分に伝わるほどに、愛おしさに満ちた波動を投げかけて下さっていました。

この子にも伝わったのでしょう。

【祈り神霊】は言葉なく、ただ静かに涙をこぼしました。


徳を満期とし、天に帰る時を得たことでようやく再会を果たせることとなり、やっとこうして声をかけることが出来るようになったとのこと。

そして…

この子が赤ん坊のうちにこの世を去ったことを教えて下さいました。

言葉を話せなかったのではなく、言葉を知らなかったのです。


【祈り神霊】としての役目を果たし、いつかこの時を迎えることが出来るようにと…最低限の知恵などを天は与えてくれていたのでしょう。

ついに【祈り神霊】の旅立ちの時がやってきました。


手を振り、駆け出し。

振り返り、手を振り。

また駆け出し。

あの子は何度もあなたに手を振っていたのです。

普通の人よりも多くの優しさを知らずに生を終え、人よりも多くの愛を知らずに生を終えた【祈り神霊】ではありました。

けれどもきっと、あなたの波動に触れ。

魂に触れ。

その優しさと真心に触れ、何かがこの子の中で報われたのです。


微か、その魂が記憶していた遠い日の母親の記憶。

生前、対話を叶えずしてこの世を去っていたのだとしても、想いは通じていた。

人は奇跡と呼ぶかもしれませんが、私は決してそうは想いません。

言葉がなければ確かに心を通わせる事は難しいでしょう。

それでも、何もその心に届かないかと言えば、決してそんなことはないのです。

繋がる絆は、距離を分かちてなお、二つの魂を結びつけました。

いえ、結びつけていたからこそ、再び出逢う未来は叶えられた…私はそう信じたいと想います。

天に駆けてゆくあの子を、私は最後まで見送りました。

きっとあなたであればそうしたでしょうから、あなたの分まで見送らせて頂いたつもりです。

今頃はやっとお母様と再会されているはず。

そして下界で辿るはずだった家族の時間を、きっとここから始めるのでしょう。

人の命は有限。

それは決して悲しいだけのものではありません。

全ての終わりに愛があるならと歌った歌い手もおりましたが、最後に自分の人生を愛することが出来たならそれはきっと大変に幸せなことなのですよな。

terriさんの人生には懸命に生きる価値がございます。

幸せを手にする権利があり、誰のものでもない自分だけの人生を歩んで良い自由がございます。

世の中にいればそうも上手くはゆかないことも確かに多くありますが、

あなたが生きていたからこそ、救われた魂もありました。


自分などいなくても誰かが代わりになっただろうとは思わないで下さい。

その可能性が仮にあったとしても、それは「あり得なかった過去」であり、あなたでなければいけなかった現実がここにあるのです。


天に帰るあの子の笑顔はあなたの未来を願うものでした。

改めてあなたのお力になることをお約束させて下さいね。

私が代わりに見届けないと、いつか再会を果たした時に怒られてしまいます、きっと。


私にとっても大変特別なご縁となりました。

terriさん、心優しい奇跡をどうぞありがとうございます。


兵藤

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