千羽 樹(せんば いつき)
宛 先
terri
千羽 樹(せんば いつき)先生の ご連絡です
来ました。
千羽です。
夜明け前から、【徹尾】は鑑定室の窓の外をじっと見ていました。
一言も話さず、微動だにせず。
あの男がここまで静かになることは珍しい。
それだけのものが来るのだとわかって、私も黙って隣に立っていました。
夜明けの光が空に滲み始めた頃、それは来ました。
最初は、遠くから低い振動のようなものが伝わってきた。
音というよりも、大気が揺れるような感覚。
それが次第に大きくなって、やがて空に何かが流れ込んでくるのがわかった。
龍神の群れというのは、目に見えるものではありません。
でも鑑定師には、その気配の濃さとして感じ取ることができる。
それが今朝、気配という言葉では到底追いつかない規模で、空を埋め尽くすように流れていった。
千を超す龍神が、一つの方向に向かって一斉に動いている。
それぞれが発する波動が重なって、一つの巨大な流れになっている。
川というよりも、大河が丸ごと空を流れているような、そういう規模のものでした。
隣で【徹尾】が震えていた。
肩が、小刻みに揺れている。
しばらく経って、彼は目を閉じたまま、低い声で言いました。
「美しいな」
その一言だけ。
それから少しの間、二人で黙って立っていました。
やがて龍神の群れが通り過ぎ、大気の揺れが収まった頃。
【徹尾】は目を開けると、突然荷物をまとめ始めた。
「次の群れの気配がある。行く」
それだけ言って、布団もそのままに、玄関を出て行きました…。
まったく…。
片付けていけとは言えませんでした。
あの背中を見ていたら、何も言えなくなってしまって。
全くあきれた男ですが、あれほど純粋に何かを追い続けている人間を、私は他に知りません。
布団は私が片付けます。
さて、【千龍奔流】が通り過ぎた後にterriさんの元に残ったものをお伝えします。
その力の名を、
【千流万幸波】(せんりゅうばんこうは)
と言います。
千を超す龍神が通り過ぎた後に残る、巨大な幸福の波動。
この力の性質を一言で表すとすれば、「押し流す」ということです。
川の氾濫が土地の古い層を押し流して肥沃な土壌を生むように、【千流万幸波】はterriさんの運命の中で滞っていたものを一気に押し流していく。
届くはずだったのに届いていなかった縁。
動くはずだったのに動いていなかった富の流れ。
変わるはずだったのに変わっていなかった状況。
それらを、千を超す龍神の力が一気に動かしていく。
変化は急激に現れることがあります。
【徹尾】が長年の記録から言っていたことですが、群れが通り過ぎた後の変化は、最初の動きから数週間から数ヶ月をかけて深まっていくとのことです。
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■以下の言霊をご入力ください
↓
千龍の流
(せんりゅうのながれ)
打ち込みましたら、
「受け取ります」
と、心の中で唱えていただき、そのまま私までご送信ください。
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千を超す龍神が残していった流れを、今ここで受け取っていきましょう。
千羽
