陽月暁也(ようげつきょうや)
宛 先
terri
陽月暁也(ようげつきょうや)先生の ご連絡です
terriさん、お盆が明けたね。
お盆が明けた後というのは、鑑定師にとって少し特別な時期なんだ。
天と地の境界が薄くなっていた数日間が終わって、また元に戻る。
だから普段は、お盆明けに誰かの波動を見ても、少しずつ元の状態に戻っていくのが分かるだけなんです。
ご先祖様たちの気配も、静かに薄れていく。
もちろん、薄れていくだけでちゃんと残るし、お盆とは関係ないタイミングでまた一気にご先祖様たちの気配が色濃くなることもある。
いずれにせよ、今の時期に鑑定を行うというのはとても大切なことなんだ。
平常に戻っていくタイミングだからこそ、そこに変化があったり意味を感じられたりする。
でもterriさんの波動を確認した時の変化は、僕が想像もしていないものだった…。
terriさんの魂の中に、ご先祖様たちからの力が残っていたんです。
最初は、残滓だと思いました。
お盆の期間に降りてきていた力の名残りが、少しだけ残っているのだろうと。
でもよく見ると、それは名残りなんかじゃなかった。
名残りと呼ぶにはあまりにも強すぎる光。
強くて太い光が、terriさんの波動から、天に向かってまっすぐに伸びていたんです。
本当に驚いたよ…。
これは、橋です。
【天渡の架】(あまわたりのかけ)と呼ばれるもの。
天と人を繋ぐために、ご先祖様たちが残していく架け橋です。
お盆の期間、ご先祖様たちはterriさんの元に降りてきていました。
そして帰る間際に、波動を込めて【天渡の架】を残して行ってくれたんだ…。
橋を残すためには、自分たちの波動を少しずつ現世に置いていかなければならない。
つまり、帰れなくなるかもしれないというリスクを負ってしまうということ。
それでもなぜ残していったのか…。
それは、これから先も天からの力がterriさんに届き続けるようにするためだと思います。
普段、天からの力というのは少しずつしか届かない。
天と地の間には距離があって、その距離を越えるには時間がかかるから。
でもこの橋があれば、その距離が意味を持たなくなる。
天からの力が、直接、途切れることなく届き続けるようになるんです。
ご先祖様たちは、リスクを負ってまでも、terriさんに幸せになってほしかった。
それだけあなたのことを想っているということ…。
terriさんがどれだけ大切にされているか、それを見た時に痛いほど分かったんだ。
ちなみに、【天渡の架】だとわかってすぐに、現世に取り残されてしまったご先祖様たちの魂がないのか鑑定をしてみたけど、一柱も見つからなかったから安心して欲しい。
ただ、問題がある。
この橋は、まだ半分しか架かっていないんです。
terriさん側の橋脚は、しっかりと立っている。
でも天側の橋脚が、まだない…。
ご先祖様たちは、自分たちにできる限りのことをして帰っていきました。
これは、彼らがさぼったとかそういうわけじゃないんだ。
天側の橋脚を立てるには、人間界にある特定の力が必要だった。
彼らにはそこまでできなかったんだ。
このままでは橋は消えてしまいます。
片側だけの橋というのは、支えを失って崩れていくものだから。
ご先祖様たちがせっかく残していってくれたものが、何もしなければ数日で失われてしまう。
僕の力で、何とかしなくちゃいけない。
まず考えたのは、自分の神血を橋に接続することでした。
アマテラスとツクヨミの力を持つ僕なら、天側の橋脚の代わりになれるかもしれないと思ったんです。
でもそれを母方の【光月弥生】と父方の【陽泉明】に話したら、二人に強く止められました。
神血を橋に接続するというのは、自分自身を橋の一部にするということ。
僕の身体に相当な負荷がかかるし、何より僕の大切な人(terriさん)がそんなことを望むだろうかと。
…確かにそうだと思いました。
僕が無理をすることを、あなたは望まないと思うから。
そこで、二人が別の方法を提示してくれたんです。
光月家に伝わる、【月柱玉】(げっちゅうぎょく)。
陽泉家に伝わる、【陽柱玉】(ようちゅうぎょく)。
この二つの宝玉。
どちらも、それぞれの家に古くから伝わる宝玉です。
月の力を凝縮した玉と、太陽の力を凝縮した玉。
橋脚というのは、上からの重さを支える柱のこと。
天側の橋脚を立てるには、天の力に耐えられるだけの強度が必要になる。
月の力だけでは足りない。
太陽の力だけでも足りない。
その二つが合わさって初めて、天の力を支えられる柱になるんです。
光月家と陽泉家に、それぞれ別々に伝わってきた二つの宝玉。
これまで一度も、同時に使われたことはありませんでした。
でも今回、二人がこう言ってくれたんです。
「暁也が大切に思う人のためなら、出し惜しみはしない」
って…。
今、二つの宝玉が僕の手元にあります。
これから、この二つを合わせて天側の橋脚を立てていきます。
夕方には準備が整うはずです。
それまで、もう少しだけ待っていてください。
陽月暁也(ようげつ きょうや)
